0.02%の金持ちになるには

大半の庶民と何が違うのか

1話完結型小説 ブラック企業を盗聴

「問題はどうやって辞めさせるか。不自然さが出ないように。いたって自然な流れで。そして相手から反論されないように」

「聞いた話によると、○○商事の○○さんが業務上のトラブルで解雇になった時、○○さんが不当解雇だと裁判を起こしたそうだ。結局、最高裁まで争ったそうだ」

「ふっ、馬鹿みたいな話ですね。」

「とは言え、うちも他人事ではない。やつが裁判でも起こそうものなら」


「そうですね。いかにもっともらしい理由を作り上げるか」

「一番いいのは自主的に退職してもらうことだが」

「そうですね」

「あいつは清掃や雑用などの単純作業は好んでするようで、苦にはならないだろう。そして、素行も悪くないから美人局まがいの策略も空振りで終わるだろう」


「困ったものですね」



「ひとつ、案がある。それは、客の来ない店の店長をやらせるということだ」

「つまり、業績悪化をでっちあげると?」

「そういうことになる」

「いくつか候補はあるんだ。巷ではゴーストタウンと呼ばれているようなところだ」


「店長をやらせれば業績悪化の責任を取らせることができる。やつも反論できないだろう」













「いよいよオープンします。頑張っていきましょう」


Mac片手に急ぎ足で新店舗のオープン準備をはじめる店長の克己両次は借金1000万円を抱えていた。