葵との情事は回数を重ねるごとに無駄な動きが排除され洗練されたものとなっていった。
遡ること1年半前。
ワイドショーが熱中症対策をこぞって取り上げるような暑い日に僕は彼女に一目惚れした。
というよりは即座にヤりたいと思っただけだ。
彼女の身体はこれまで出会った中で最高だった。
理想的なv字ラインにそのままかじりたくなるようなふわふわな胸。
体位はきまって正常位。
彼女と密着しながら胸を揉み、乳首を指先で撫で、
白くて細い両足を僕の肩に乗せたりしてぐちゃぐちゃになっていく彼女を生で見下ろす。
脇から汗がにじみ出ると、彼女のあえぎ声もボリュームを増す。
このまま一生つながっていたい。
この状態のままで天国に行きたい。
腰を振りながらいつもそう思う。
彼女は僕の背中に優しく手を添える。
一体となった僕たちの身体はタイムマシーンよりも性能が良さそうだ。
脈打つごとに彼女の身体が揺れる。
それぐらい激しい射精をした。
男なのに変な声が出てしまう。そして、そんな声が出ていることさえも分からないぐらい意識がどこかに飛んでいる。
ラブドールが届いてから3日目の夜である。