0.02%の金持ちになるには

大半の庶民と何が違うのか

ロレックスと3番目の女

「これロレックス?」

「そうだよ。エクスプローラーっていうスポーツタイプのものだよ」

聖子は僕の右腕にそっと手を触れ、そのまま指先をロレックスに滑らせた。

「この前、職場で検温したら37℃越えてて、焦った
。あの非接触式の検温計、絶対に狂ってるよね」

僕は聖子のお尻を撫でながらうんうんとうなずく。


「もしも、相手の心の中を計れたらまずい?」

「どういうこと?」

「相手の好意度とか反対に悪意度とか」

「ちょっとまずいし、ちょっと楽しそうかも」



「じゃあちょっと計っちゃおうかな」

そう言って聖子は手のひらを僕の胸に当てて沈黙した。


「おもしろい心の中をしてるね」


「どんな風に?」


「それはあなたが一番分かっているんじゃないの?」


「僕が聖子のことが好きってことが?」


「うん、3番目にね」



「どういうこと?」



「私は3番目の女なのよ。昔からそう。今となってはもはやそれを望んでる。あなただって分かってるでしょ?」


「どうなんだろう…でも、少なくとも聖子の指摘は当たってる…はっきり言うよ。誤魔化しなんて利かないだろうから」



「私はいつもそうだから。あなたにとって私は3番目の女なのね?あなたにとって私はどんな立ち位置なの?」



「癒し系だな。人生を共に歩んだりあれこれ語るにはあまり適していないし、かと言ってた身体がピカイチというわけでもない。ただ、たわいもない話をして身体を重ねる。それも気分がのった時にね。そんな女性が聖子だよ」



「私はあなたにとって存在価値がないわけではない。息抜きのための「癒し」という価値を提供できているわけね?なら良かった」


聖子の胸が僕の胸元に当たり、太ももと太ももは複雑に絡み合っていた。