0.02%の金持ちになるには

大半の庶民と何が違うのか

アパート

路地裏ナース

師走の風が肌を通り抜け、身体全体が冷たくなっていくのを感じながら僕はひたすら自転車を漕いでいた。 ちょうど日付けが変わって1時間が経過しようとしている街はいつもとは違う夜更けの序章へと僕を案内しているように感じられる。 今、僕の自転車のかごに…

彼との半同棲(小説)

上京して2年が経過しようとしていた。 就職した広告代理店は上司の軽いセクハラ発言を抜きにすれば比較的働きやすい職場だった。 実家の母はよく野菜や米などを送ってくれる。 段ボールに貼りつけられた伝票の母直筆のサインを見るたびに帰省した気分を味わ…

ロレックスと3番目の女

「これロレックス?」「そうだよ。エクスプローラーっていうスポーツタイプのものだよ」聖子は僕の右腕にそっと手を触れ、そのまま指先をロレックスに滑らせた。「この前、職場で検温したら37℃越えてて、焦った 。あの非接触式の検温計、絶対に狂ってるよね…

本当の悪を見極める

悪人と聞いてあなたは何を思い浮かべますか? 本職?殺人鬼?詐欺師? いずれも正解です。 では、悪人とはそれだけを指すでしょうか? 答えはNOです。 本当の悪はもっと複雑で醜いものなのです。 そうした悪を見極める知識は学校では学べません。 社会という…

抜け殻になった恋と羨望という眼差し

麗香とはバイト先で出会った。 いつもニコニコしていて周りを和ませる力があった。 麗香の涙袋は多くの女性が憧れを抱くであろう主張しすぎず、かと言って控えめすぎないものであった。 「このバイトのきっかけは何ですか?」 麗香が言う。 年上の僕は当たり…

最も幸せを感じられる年収について

ネオヒルズ族とかさ、いるじゃん。 フェラーリ乗り回してタワマンに住んで。 私はあれを見てもちっとも羨ましいとは思わない。 むしろ、寂しそう、とか胡散臭げだなって感じる。 そして意外にもそう感じているのは私だけでないことに気づかされる。 ああいう…