0.02%の金持ちになるには

大半の庶民と何が違うのか

抜け殻になった恋と羨望という眼差し

麗香とはバイト先で出会った。
いつもニコニコしていて周りを和ませる力があった。
麗香の涙袋は多くの女性が憧れを抱くであろう主張しすぎず、かと言って控えめすぎないものであった。


「このバイトのきっかけは何ですか?」
麗香が言う。
年上の僕は当たり障りのない回答をする。
「たまたま募集広告を見て応募したんだ」



バイトが終わりに近づき、僕は同棲中の彼女のことを思った。
彼女とは付き合って2年になる。
同棲こそ最近、始めたが、それはお互い浮気しないためであった。
「なんでそんなことするの?」
彼女は仰向けになる僕の伸ばした両足の間に収まりながら言った。
僕はそれに関してほぼ無言だった。
それ以来、彼女は少し冷たくなり、「痛い」とか「やめて」を頻繁に言うようになった。



「今日は何時終わりですか?」
麗香が言う。
「2時まで」
僕は返答する。
「私は1時までなんです」
その後、会話は続かなかった。



時計は午後11時をすでにまわり、僕は彼女の表情をさりげなく観察していた。
彼女は僕の勃起した陰茎を口にくわえ、微かに音を立てていた。そして時折、玉を舐めたり、スジを舌先でなぞったりしていた。
彼女をベッドに寝かせ、挿入しようとした時、彼女は脇に置いていたローションを少量、手に取り、自らの陰部に塗った。
今までこんなことはなかった。
自然に濡れていた彼女が意図的に濡らすようになることなど。



「気持ちいい」
彼女の機嫌をとるために放ったその一言が意外にも効果を発揮し、その時からドライな対応はなくなり、ローションを使うこともなくなった。
「濡れてる」
そう、心の中で言い聞かせながら彼女の奥の方を突いていった。



「私、先輩が好きです」
麗香からの告白はあっけなかった。
僕はそれを受け入れ、その日の内にセックスをした。
膣の締まりは驚くほどよく、挿入後、わずか1分で果てた。
彼女は身体をもて余しているようだった。
あまりにも魅力的過ぎて逆に誰も寄ってこない。
等身大で接してくれる僕に心惹かれたそうだ。



「私、海外に行こうと思うの」
セックスの余韻に浸っていた僕は彼女の突然の言葉に動揺した。
こんな時、僕が彼女にかけるべき言葉は決まっている。
「僕も海外に行くよ」
でも、本心は違った。
僕は今の環境で彼女といられることがありがたいのであって、共に環境を変えてまで彼女と過ごす意味までは見出だせなかった。



麗香は一見すると無臭だが、肌と肌を重ね合わせる時、微かにボディークリームと香水の混じった匂いがする。
僕はそんな甘い匂いを吸い込みながら腰を振る。
麗香の膣はただでさえ締めつけが激しいのに、射精に近づくことを告げるとさらに締まりがよくなる。
これが意図的であっても無意識であってもどうでもよかった。
そして今、海外に行く準備をしている彼女の未来も僕からすれば他人事だった。